顧問弁護士と契約する流れ|契約書の内容から解約まで
顧問弁護士との契約を検討しているものの、「どのような流れで契約するのか」「契約書で何を確認すればよいのか」とお悩みの経営者の方は多いのではないでしょうか。顧問契約は長期的な関係を前提とするため、契約時点で業務範囲や費用条件をしっかり確認しておくことが、その後の円滑な活用につながります。
この記事では、顧問弁護士との契約の流れを5つのステップで解説するとともに、顧問契約書で必ず確認すべき5つのポイント、そして解約・変更の手続きまで詳しくご説明します。初めて顧問弁護士と契約する方も、現在の顧問弁護士の見直しを検討している方も、ぜひ参考にしてください。
顧問弁護士と契約するまでの流れ
顧問弁護士との契約は、一般的に以下の5つのステップで進みます。事務所によって細かな違いはありますが、基本的な流れを理解しておくと、スムーズに契約まで進めることができます。
ステップ1|無料相談・問い合わせ
まずは法律事務所のウェブサイトや電話から問い合わせを行います。多くの法律事務所では、顧問契約の検討段階での相談を無料で受け付けています。
この段階では、「顧問契約を検討している」という意向を伝えるとともに、自社の業種や規模、現在抱えている課題などを簡単に説明すると、その後の面談がスムーズに進みます。問い合わせ時には以下の点を整理しておくとよいでしょう。
- 会社の業種・事業内容
- 従業員数や売上規模
- 現在抱えている法的課題や不安
- 顧問弁護士に期待するサポート内容
最近では、問い合わせフォームだけでなく、電話やLINEなど複数の連絡手段を用意している事務所も増えています。ご自身が連絡しやすい方法で問い合わせてみましょう。
ステップ2|面談・ヒアリング
問い合わせ後、弁護士との面談が行われます。対面での面談のほか、オンライン(Zoom等)や電話での面談に対応している事務所も多くなっています。
面談では、弁護士が会社の事業内容や組織体制、現在の法的課題などについて詳しくヒアリングを行います。同時に、経営者側も弁護士の対応や専門性を確認する機会となります。面談時には以下のような点を確認しておくとよいでしょう。
- 弁護士の専門分野や得意領域
- 対応可能な相談方法(電話・メール・LINE等)
- レスポンスの目安(返信までの時間)
- 担当弁護士が複数いるか(急ぎの案件への対応体制)
- 顧問先企業の業種や規模
この面談を通じて、「この弁護士なら信頼して相談できそうか」「自社の事業を理解してくれそうか」といった相性も確認することが大切です。
ステップ3|プラン提案・見積もり
面談でのヒアリング内容をもとに、弁護士から顧問契約のプランと見積もりが提示されます。顧問料の金額だけでなく、どのようなサービスが含まれるのかを具体的に確認しましょう。
一般的に、顧問契約のプランには以下のような内容が含まれます。
複数の事務所から見積もりを取って比較検討することも有効です。ただし、顧問料の金額だけで判断するのではなく、レスポンスの早さや相談のしやすさなど、総合的に判断することをおすすめします。
ステップ4|顧問契約書の締結
プランと費用に納得したら、顧問契約書を締結します。契約書は事務所側が用意することが一般的ですが、署名・押印の前に、契約内容を十分に確認することが重要です。
顧問契約書で確認すべき具体的なポイントについては、次のセクションで詳しく解説しますが、業務範囲、顧問料、契約期間、解約条件などが明確に記載されているかを必ずチェックしましょう。
最近では、紙の契約書を郵送でやり取りする方法に加えて、電子契約に対応している事務所も増えています。電子契約であれば、スピーディーに契約締結が可能です。
ステップ5|顧問サービス開始
契約締結後、顧問サービスが開始となります。サービス開始にあたっては、以下の点を確認しておきましょう。
- 担当弁護士の連絡先(電話番号、メールアドレス、LINE等)
- 相談時の連絡方法と手順
- 緊急時の対応方法
- 顧問料の支払い方法と支払日
事務所によっては、契約開始時に改めて会社の基本情報や既存の契約書類を提出するよう依頼されることもあります。顧問弁護士が会社の状況を把握しておくことで、いざという時により的確なアドバイスを受けることができます。
顧問契約書で確認すべき5つのポイント
顧問契約書は、顧問弁護士との関係を規律する重要な書類です。契約締結前に、以下の5つのポイントを必ず確認しましょう。
1. 顧問料の金額と支払条件
顧問料の月額金額、支払日、支払方法(銀行振込等)を確認します。消費税が別途かかる場合は、その旨も確認しておきましょう。
一般的な中小企業向けの顧問料相場は月額3万円〜10万円程度です。金額は、提供されるサービス内容や事務所の規模・専門性によって異なります。金額だけで判断するのではなく、サービス内容との バランスで適正かどうかを判断することが大切です。
2. 顧問料の範囲内で対応できる業務
顧問料の中でどのような業務を依頼できるのかを明確にしておくことが重要です。日本弁護士連合会のアンケートによると、約60%の事務所が「月3時間程度の相談対応」を顧問料の範囲内としており、約35%が「電話やメールですぐに回答できる相談」を顧問料の範囲としています。
確認すべき主な項目は以下のとおりです。
- 法律相談(電話・メール・面談)の対応範囲
- 契約書のチェック・作成
- 社内規程の確認
- 相談時間の制限の有無
事務所によっては相談回数や時間に制限がある場合と、無制限で対応してくれる場合があります。自社のニーズに合った内容かどうかを確認しましょう。
3. 別途費用が発生する業務と料金
顧問料の範囲外となる業務と、その場合の費用体系を確認しておくことも重要です。一般的に、以下のような業務は顧問料とは別に費用が発生するケースが多いです。
- 訴訟・調停などの紛争対応
- 示談交渉の代理
- 複雑な契約書の作成
- M&Aや事業承継のサポート
- 社内研修の講師
顧問先企業の場合、通常の弁護士費用から1割〜3割程度の割引が適用されることが一般的です。割引率についても契約書で確認しておきましょう。
契約書のリーガルチェック(法的チェック)について詳しくは「契約書の作成・リーガルチェック」をご覧ください。
4. 契約期間と更新条件
顧問契約の契約期間は1年間とするケースが多いですが、6ヶ月や2年といった期間を設定する場合もあります。確認すべきポイントは以下のとおりです。
- 契約期間(開始日と終了日)
- 更新方法(自動更新か、都度協議か)
- 自動更新の場合、更新を拒否する場合の手続き
自動更新条項がある場合は、更新を希望しない場合にいつまでに申し出る必要があるかを確認しておきましょう。一般的には、契約期間満了の1〜3ヶ月前までに申し出ることが求められます。
5. 解約条件と手続き
契約期間中に解約する場合の条件と手続きも、事前に確認しておくべき重要なポイントです。顧問契約は法律上「委任契約」に該当するため、民法の規定により原則としていつでも解約することが可能ですが、契約書に具体的な手続きが定められているケースが多いです。
確認すべき点は以下のとおりです。
- 解約の申出期限(何日前・何ヶ月前に申し出る必要があるか)
- 解約時の顧問料の精算方法
- 進行中の案件がある場合の取扱い
- 資料・データの返還方法
解約条件が著しく厳しい場合(長期間の事前告知が必要、違約金が発生するなど)は、契約前に交渉することも検討しましょう。
顧問契約の期間|一般的な契約期間と更新
顧問契約の契約期間は、事務所や契約内容によって異なりますが、1年契約が最も一般的です。契約期間と更新に関する主なパターンを整理すると、以下のようになります。
契約期間のパターン
- 1年契約(最も一般的)
- 6ヶ月契約(お試し期間として設定されることがある)
- 2年以上の長期契約(特定のプロジェクトに合わせて設定されることがある)
更新方法のパターン
- 自動更新(双方から申し出がなければ同条件で更新)
- 都度協議(契約期間終了前に更新の可否を協議)
多くの事務所では、契約期間終了日の1〜3ヶ月前までに解約の申し出がなければ自動更新とする条項を設けています。自動更新の場合、うっかり期限を過ぎてしまうと意図せず契約が継続してしまうこともあるため、カレンダーに更新時期をメモしておくなど、管理しておくことをおすすめします。
なお、初めて顧問弁護士と契約する場合は、お試し期間として1〜3ヶ月の短期契約を設定できる事務所もあります。「いきなり1年契約は不安」という場合は、そのような制度があるか確認してみるとよいでしょう。
顧問弁護士の費用について詳しくは「顧問弁護士の費用相場と料金体系」をご覧ください。
顧問弁護士の解約・変更の手続き
顧問弁護士との関係は長期にわたることが想定されますが、事情によっては解約や変更を検討する場面もあるかもしれません。ここでは、解約時の注意点と、顧問弁護士の切り替え方法について解説します。
解約時の注意点
顧問契約を解約する場合、以下の点に注意しましょう。
1. 契約書の解約条項を確認する
契約書に定められた解約の手続き(申出期限など)に従って進めます。申出期限を過ぎると、次の契約期間まで解約できない場合もあります。
2. 書面で解約の意思を通知する
口頭だけでなく、書面(またはメール)で解約の意思を明確に伝えることをおすすめします。後々のトラブルを防ぐためにも、記録として残しておくことが大切です。
3. 進行中の案件の取扱いを確認する
解約時に進行中の案件がある場合、その案件の取扱いについて協議が必要です。案件終了まで当該案件のみ継続する、他の弁護士に引き継ぐなど、具体的な対応を決めましょう。
4. 資料・データの返還を受ける
顧問弁護士に預けていた資料やデータがあれば、返還を受けます。契約書、社内規程、過去の相談記録など、重要な書類を確実に回収しましょう。
顧問契約は委任契約の一種であるため、法律上は原則としていつでも解約が可能です。ただし、進行中の案件がある場合など、相手方にとって不利な時期に解約すると損害賠償を請求される可能性もあります。円満に解約するためにも、早めに解約の意向を伝え、引継ぎ期間を設けることをおすすめします。
顧問弁護士の切り替え方法
現在の顧問弁護士から別の顧問弁護士に切り替える場合は、以下の流れで進めます。
1. 新しい顧問弁護士を選定する
現在の顧問契約を解約する前に、新しい顧問弁護士の候補を探しておくとスムーズです。複数の事務所と面談し、自社に合った弁護士を選びましょう。
2. 現在の顧問弁護士に解約を通知する
契約書の定めに従い、解約の意思を通知します。切り替えの理由を詳しく説明する義務はありませんが、円満に終了するためにも、丁寧に対応することをおすすめします。
3. 引継ぎを行う
進行中の案件や預けていた資料などについて、現在の顧問弁護士から引継ぎを受けます。必要に応じて、新しい顧問弁護士との間で引継ぎの打ち合わせを設けることもあります。
4. 新しい顧問弁護士と契約する
引継ぎが完了したら、新しい顧問弁護士と顧問契約を締結します。
顧問弁護士を変更したいと考える主な理由としては、「相談しにくい」「レスポンスが遅い」「専門分野が合わない」「費用対効果に疑問がある」といったものが挙げられます。現在の顧問弁護士に不満を感じている場合は、我慢して続けるよりも、自社に合った弁護士に切り替えることを検討してみてください。
顧問弁護士の選び方について詳しくは「顧問弁護士の選び方」をご覧ください。
当事務所の顧問契約の流れ
弁護士法人エースでは、経営者の方に安心して顧問契約をご検討いただけるよう、以下のような流れで対応しております。
ステップ1:無料相談のお申し込み
電話相談受付は年中無休で8:00〜22:00まで対応しております(0120-419-155)。ウェブサイトのお問い合わせフォームからもお申し込みいただけます。顧問契約のご相談は無料です。「まずは話を聞いてみたい」という段階でもお気軽にお問い合わせください。
ステップ2:面談・ヒアリング
弁護士が貴社の事業内容、現在の課題、顧問弁護士に期待するサポート内容などを丁寧にヒアリングいたします。面談は対面のほか、オンライン・電話でも対応可能ですので、全国どこからでもご相談いただけます。
ステップ3:プランのご提案
ヒアリング内容をもとに、貴社に最適な顧問契約プランをご提案いたします。当事務所の顧問契約は月額5万円〜で、月3時間相当の法律業務に加え、電話・メール・LINEでの相談は無制限でご利用いただけます。
ステップ4:ご契約
プラン内容にご納得いただけましたら、顧問契約書を締結いたします。ご契約いただいた場合、個別の事件については通常料金の2割引でご依頼いただけます。
ステップ5:顧問サービス開始
ご契約後は、担当弁護士の直通連絡先(LINEを含む)をお伝えいたします。予約不要で、ちょっとした相談もすぐにできる環境を整えております。複数の弁護士・パラリーガルがチームで対応するため、担当者不在の場合もスピーディーにレスポンスいたします。
当事務所は、銀座、横浜、鎌倉、津田沼、浜松に拠点を構え、全国の企業様にご対応しております。自社グループ内に社労士法人を保有し、所属弁護士は全員が通知税理士登録済みのため、法律・労務・税務をワンストップでご相談いただけます。
顧問弁護士の具体的な活用事例については「顧問弁護士の活用事例」をご覧ください。
まとめ
顧問弁護士との契約は、問い合わせから面談、プラン提案、契約締結、サービス開始という流れで進みます。契約前には顧問契約書の内容をしっかり確認し、特に以下の5つのポイントを押さえておくことが重要です。
- 顧問料の金額と支払条件
- 顧問料の範囲内で対応できる業務
- 別途費用が発生する業務と料金
- 契約期間と更新条件
- 解約条件と手続き
顧問弁護士は、経営者にとって法務面のパートナーとなる存在です。相性や専門性を見極め、「気軽に相談できる」「レスポンスが早い」弁護士を選ぶことで、顧問契約のメリットを最大限に活かすことができます。
弁護士法人エースでは、大手事務所のような敷居の高さはなく、経営者の方に寄り添う「パートナー型」の顧問弁護士サービスを提供しております。初回相談は無料ですので、顧問弁護士の導入や現在の顧問弁護士の見直しをご検討の方は、お気軽にお問い合わせください。
顧問弁護士の詳細については「顧問弁護士とは」をご覧ください。
監修者プロフィール
弁護士法人エース 代表弁護士
竹内 省吾
- 経歴
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慶應義塾大学法学部卒業(2009)
慶應義塾大学法科大学院卒業(2011)
弁護士登録(2012)
第一東京弁護士会・こども法委員会 委員(2020まで)
三田法曹会 会員
日本交通法学会 会員
東京都子供の権利擁護調査員(2020まで)
静岡県弁護士会 会員(2020から2023まで)
第一東京弁護士会 会員(2023)
監修者プロフィール
弁護士法人エース 代表弁護士
成田 翼
- 経歴
-
明治大学法学部卒業(2009)
慶應義塾大学法科大学院卒業(2012)
弁護士登録(2013)
神奈川県弁護士会 所属
刑事弁護委員会 委員
三田法曹会 会員