顧問弁護士の費用相場と料金体系|月額料金から依頼時の費用まで解説

  • 2026/2/6

顧問弁護士の導入を検討する際、多くの経営者の方が気になるのが「費用はいくらかかるのか」という点ではないでしょうか。顧問弁護士の費用相場は月額3万円〜10万円程度が一般的ですが、料金体系や含まれるサービス内容は事務所によって大きく異なります。

本記事では、日本弁護士連合会のアンケートデータをもとに、顧問弁護士の費用相場や料金体系の種類、顧問料の範囲内でできること・別途費用がかかることを詳しく解説します。さらに、顧問契約による費用割引の仕組みや費用対効果の考え方についてもご紹介しますので、顧問弁護士の導入判断にお役立てください。


顧問弁護士の費用相場|月額3〜10万円が一般的

顧問弁護士の費用は事務所によって異なりますが、中小企業向けの一般的な相場は月額3万円〜10万円程度です。ここでは、日弁連のデータや市場の実態をもとに、具体的な費用感をご説明します。

日弁連アンケートによる費用データ

日本弁護士連合会が実施した「中小企業のための弁護士報酬の目安」によると、中小企業との顧問契約における月額顧問料は、5万円と回答した弁護士が45.7%、3万円が40.0%となっています。このデータから、月額3万円〜5万円が1つの目安といえます。

また、LegalOn Technologiesが中小企業を対象に実施した調査では、5万円〜7万円の価格帯が32%、8万円〜10万円が33%を占めており、平均は約5.1万円という結果も出ています。サービス内容の充実度によっては月額7万円〜10万円程度のプランを選択する企業も多く、実務上は月額5万円前後が中心的な価格帯といえるでしょう。

なお、2004年までは日弁連が「顧問料は月額5万円以上」という報酬基準を定めていました。この基準は現在廃止されていますが、多くの弁護士が今もこの水準を参考に料金を設定しているため、月額5万円が「標準的な顧問料」の1つの基準となっています。

価格帯別のサービス内容の違い

顧問料の価格帯によって、受けられるサービスの範囲は異なります。各価格帯の一般的なサービス内容を把握しておくことで、自社に適したプランを選択できます。

月額1〜3万円程度の場合、電話・メールでの相談が中心となり、対応時間は月1〜2時間程度に設定されていることが多いです。法律相談の頻度がそれほど多くない企業や、まずは顧問弁護士を試してみたいという場合に適しています。ただし、契約書のチェックなど一部の業務は別途費用がかかることもあるため、契約前にサービス範囲を確認しておくことをおすすめします。

月額5万円前後になると、月3時間程度の相談対応に加え、契約書のリーガルチェック(法的チェック)が含まれるのが一般的です。電話・メールでの相談も幅広く対応してもらえることが多く、日常的な法律相談をカバーしたい企業にとってバランスの取れた価格帯です。

月額7〜10万円以上の場合は、相談時間の上限が拡大されるほか、契約書の作成代行、社内研修の実施、取締役会への出席など、より踏み込んだサービスが含まれることがあります。法務部門を持たない中堅企業や、法的リスクの高い業種に適しています。

いずれの価格帯を選ぶにしても、重要なのは「価格」だけでなく「自社のニーズとの適合性」で判断することです。どの程度の頻度で弁護士に相談する見込みがあるか、どのような業務をお願いしたいかを具体的に想定したうえで、最適なプランを選択してください。


顧問弁護士の料金体系|固定報酬制とタイムチャージ制

顧問弁護士の料金体系は、大きく「固定報酬制」と「タイムチャージ制(時間単価制)」の2種類に分けられます。それぞれの特徴を理解し、自社に合った契約形態を選ぶことが重要です。

固定報酬制のメリット・デメリット

固定報酬制は、毎月一定額の顧問料を支払う方式です。顧問弁護士との契約で最も一般的な形態であり、多くの中小企業がこの方式を採用しています。

メリットとしては、まず毎月の費用が固定されるため、予算管理がしやすい点が挙げられます。「今月は相談が多かったから費用が膨らんだ」という心配がなく、経営計画に組み込みやすいのが特徴です。また、定額であるため、ちょっとした疑問でも気軽に相談しやすいという心理的なメリットもあります。「この相談で追加料金がかかるのでは」と躊躇することなく、早めに相談できる環境が整います。

一方、デメリットとしては、相談する案件が少ない月でも同額の顧問料が発生する点があります。毎月コンスタントに法律相談が発生する企業には適していますが、相談頻度にばらつきがある場合は、利用しない月の顧問料が「もったいない」と感じることもあるかもしれません。

タイムチャージ制のメリット・デメリット

タイムチャージ制は、弁護士が業務に費やした時間に応じて料金が発生する方式です。時間単価の相場は1時間あたり1万円〜5万円程度で、弁護士の経験年数や専門性によって異なります。

メリットは、利用した分だけ支払えばよいため、相談頻度が少ない企業にとっては経済的な選択となりうる点です。毎月の固定費を抑えたい場合や、法律相談の発生が不定期な場合に適しています。

デメリットとしては、費用の予測が立てにくい点が挙げられます。想定以上に複雑な案件であった場合、思わぬ費用が発生する可能性があります。また、「相談するたびに費用がかかる」という意識から、本来相談すべきタイミングで相談を控えてしまい、問題が大きくなってから対処することになるリスクもあります。

どちらを選ぶべきか?選択基準

選択の基準は、自社の法務ニーズの頻度と性質によって異なります。毎月定期的に契約書のチェックや法律相談が発生する企業、トラブルの予防を重視し日常的に弁護士と連携したい企業は、固定報酬制が適しています。

一方、法律相談が年に数回程度しか発生しない企業や、まずは試しに弁護士を活用してみたい企業は、タイムチャージ制から始めるのも1つの方法です。

なお、最近では固定報酬制を基本としながら、契約で定めた対応時間を超えた場合にタイムチャージで加算する「折衷型」のプランを提供する事務所も増えています。自社の状況に合わせて、柔軟に検討してみてください。


顧問料の範囲内でできること・別途費用がかかること

「顧問契約を結べば、すべての法律業務を追加費用なしで依頼できる」と考える方もいらっしゃいますが、実際には顧問料の範囲内で対応できる業務と、別途費用がかかる業務があります。事前に把握しておくことで、想定外の出費を防ぐことができます。

顧問料内で対応できる業務の例

一般的に、顧問料の範囲内で対応できる業務は以下のようなものです。

日常的な法律相談として、電話・メール・オンラインでの相談対応、経営判断に関する法的アドバイス、取引先とのトラブル対応の方向性の検討などがあります。また、簡易な契約書のリーガルチェック、既存のひな形のカスタマイズ、契約条件に関するアドバイスなども含まれることが多いです。

労務相談として、従業員の採用・退職に関する相談、就業規則の簡易なチェック、労務トラブルの初期対応なども顧問料の範囲内とする事務所が多くあります。

ただし、「月3時間まで」「契約書チェックは月〇件まで」など、顧問料の範囲内で対応できる上限が設けられていることが一般的です。契約前に、具体的な対応範囲を確認しておくことが重要です。

訴訟・契約書作成など別途費用がかかるケース

顧問料とは別に費用が発生する業務としては、まず訴訟対応が挙げられます。裁判への対応は、顧問契約の範囲外とされるのが一般的であり、着手金・報酬金・実費が別途発生します。

また、契約書の新規作成(特に複雑な契約書や、一から作成する場合)、法的調査・意見書の作成、登記手続きの代行、M&A・事業承継のサポートなども、別途費用がかかるケースが多いです。

重要なのは、「別途費用がかかる=損」ではないという点です。顧問契約があれば、これらの業務を依頼する際に着手金や報酬金が割引される仕組みを設けている事務所も多くあります。次のセクションで詳しく解説します。


顧問契約による費用割引の仕組み

顧問弁護士と契約するメリットの1つが、個別案件を依頼する際の費用割引です。顧問契約がない状態でスポット(個別案件ごとに依頼する方法)で依頼する場合と比べて、着手金や報酬金が1割〜3割程度割引になるケースが一般的です。

着手金・報酬金の割引例(労働事件、契約トラブルなど)

具体的な割引例をご紹介します。たとえば、従業員との労働トラブルで訴訟対応が必要になった場合を想定してみましょう。

スポットで依頼した場合、着手金30万円・報酬金30万円で合計60万円かかるケースがあったとします。顧問契約があり2割引が適用される場合、着手金24万円・報酬金24万円で合計48万円となり、12万円のコスト削減になります。

取引先との契約トラブルで300万円の債権回収を行う場合も同様です。通常、着手金20万円・報酬金(回収額の16%)48万円で合計68万円かかるところ、2割引で着手金16万円・報酬金38.4万円となり、約13万円の削減になります。

年間を通じて複数の案件が発生する場合、この割引額は積み重なっていきます。顧問料の年間総額と割引によるメリットを比較検討することで、顧問契約の費用対効果を判断することができます。

弁護士法人エースでは、顧問契約をいただいている企業様に対し、個別事件の着手金・報酬金を通常料金の2割引でご対応しています。顧問契約の費用について詳しく知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。


費用対効果で考える顧問弁護士の価値

顧問弁護士の費用を「コスト」としてだけ捉えるのではなく、「投資」として費用対効果を考える視点が重要です。トラブルが発生した場合の損失と、予防法務による損失回避効果を具体的に試算してみましょう。

トラブル発生時のコスト試算

法的トラブルが発生した場合、どの程度のコストがかかるのかを把握しておくことは、顧問弁護士の価値を判断するうえで重要です。

たとえば、元従業員から未払い残業代を請求された場合を考えてみましょう。請求額300万円の労働審判に発展した場合、弁護士費用として着手金30万円、報酬金30万円程度が発生します。さらに、対応に要する経営者・人事担当者の時間的コスト、会社の評判への影響、従業員のモチベーション低下など、金銭に換算しにくい損失も発生します。和解で解決した場合でも、請求額の一定割合を支払うことになるケースが多く、総コストは数百万円に達することも珍しくありません。

取引先との契約トラブルで訴訟に発展した場合も同様です。訴訟が長期化すれば弁護士費用は膨らみ、経営者の時間とエネルギーが奪われることで本業にも影響が出ます。

予防法務による損失回避効果

一方、顧問弁護士による予防法務(トラブルを未然に防ぐための法務活動)を活用すれば、こうした損失の多くを回避できる可能性があります。

労働関連のリスク回避としては、就業規則の整備により残業代トラブルを予防できます。雇用契約書の適切な作成で退職時のトラブルを防止できるほか、問題社員への対応方法について早期に相談することで、訴訟リスクを低減できます。就業規則の整備について詳しくは「就業規則の作成・見直し」をご覧ください。

契約関連のリスク回避としては、契約書のリーガルチェックにより不利な条項を事前に発見・修正できます。取引条件の交渉時に法的なアドバイスを受けることで、後のトラブルを防げます。契約書のリーガルチェックについて詳しくは「契約書の作成・リーガルチェック」をご覧ください。

月額5万円の顧問料を支払っていても、年1回の大きなトラブルを未然に防げれば、十分に元が取れるという考え方もできます。「トラブルが起きてから対処する」のではなく、「トラブルを起こさない体制を作る」ことが、結果的にコスト削減につながります。


当事務所の料金プラン

弁護士法人エースでは、中小企業の経営者の方に気軽にご相談いただけるよう、分かりやすい料金体系をご用意しています。

月額5万円〜の料金体系と対応範囲

当事務所の顧問契約は月額5万円からご用意しています。相場(月額3万円〜10万円)の中で標準的な価格帯でありながら、以下のような充実したサービス内容となっています。

月3時間相当の法律業務として、契約書のリーガルチェック、労務相談、取引先とのトラブル対応など、日常的な法律業務に対応いたします。電話・メール・LINEでの相談は無制限で、事前予約なしでいつでもご相談いただけます。ちょっとした疑問でも、気軽にお問い合わせいただける環境を整えています。

個別事件については通常料金の2割引で対応いたします。訴訟対応や複雑な契約書作成など、顧問契約の範囲を超える業務が発生した場合も、割引料金でご依頼いただけます。

当事務所の特徴として、複数弁護士・パラリーガルによるチーム対応があります。担当者不在でも対応可能な体制を整えており、レスポンスの早さにご好評をいただいています。

また、グループ内に社労士法人を有しており、弁護士全員が通知税理士登録を済ませています。法律・労務・税務の相談をワンストップで対応できる点も、多くの経営者の方にご評価いただいています。

顧問弁護士のメリット・デメリットについて詳しくは「顧問弁護士のメリット・デメリット」をご覧ください。


まとめ

顧問弁護士の費用相場は月額3万円〜10万円程度であり、月額5万円前後が中心的な価格帯となっています。料金体系は固定報酬制とタイムチャージ制の2種類があり、自社の法務ニーズに応じて選択することが重要です。

顧問料の範囲内では日常的な法律相談や簡易な契約書チェックが対応可能ですが、訴訟対応や複雑な契約書作成は別途費用がかかります。ただし、顧問契約があれば個別案件の費用が1〜3割程度割引になるため、トータルコストの削減につながります。

顧問弁護士の費用は「コスト」ではなく「投資」として捉え、トラブル発生時の損失回避効果と比較検討することをおすすめします。予防法務によって大きなトラブルを1件防げれば、顧問料の何倍もの価値があるケースも少なくありません。

弁護士法人エースでは、月額5万円〜の顧問契約をご用意しています。LINE相談無制限・複数担当制・士業連携ワンストップサービスなど、充実した内容となっています。初回相談は無料ですので、顧問弁護士の導入を検討されている経営者の方は、お気軽にお問い合わせください。電話相談受付は年中無休(8:00〜22:00)で承っております。

顧問弁護士サービスの全体像について詳しくは「顧問弁護士とは」をご覧ください。

監修者プロフィール

成田 翼

弁護士法人エース 代表弁護士

竹内 省吾

経歴
慶應義塾大学法学部卒業(2009)
慶應義塾大学法科大学院卒業(2011)
弁護士登録(2012)
第一東京弁護士会・こども法委員会 委員(2020まで)
三田法曹会 会員
日本交通法学会 会員
東京都子供の権利擁護調査員(2020まで)
静岡県弁護士会 会員(2020から2023まで)
第一東京弁護士会 会員(2023)

監修者プロフィール

成田 翼

弁護士法人エース 代表弁護士

成田 翼

経歴
明治大学法学部卒業(2009)
慶應義塾大学法科大学院卒業(2012)
弁護士登録(2013)
神奈川県弁護士会 所属
刑事弁護委員会 委員
三田法曹会 会員

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