顧問弁護士を依頼するメリット・デメリット|本当に必要か徹底検証
「顧問弁護士は本当に必要なのか」「毎月の固定費をかける価値があるのか」と悩む経営者の方は多いのではないでしょうか。顧問弁護士を依頼することには、トラブルの未然防止や迅速な対応といったメリットがある一方で、毎月の顧問料という固定費が発生するデメリットもあります。本記事では、顧問弁護士のメリット・デメリットを客観的に検証し、スポット依頼(個別案件ごとに依頼する方法)との比較も交えながら、経営者の方が最適な判断ができるよう解説します。
INDEX
顧問弁護士を依頼する6つのメリット
顧問弁護士と契約することで得られるメリットは、単なる「法律相談ができる」という点にとどまりません。経営者の方にとって実務的に価値のあるメリットを6つご紹介します。
メリット1|トラブルを未然に防げる(予防法務)
顧問弁護士の最大の価値は、トラブルが起きてから対応するのではなく、トラブルを未然に防ぐ「予防法務」にあります。
たとえば、新規取引を始める際の契約書チェック、就業規則の整備、新規事業の法的リスク確認など、日常的に法的なアドバイスを受けることで、将来発生しうるトラブルの芽を早期に摘み取ることができます。契約書のリーガルチェック(法的チェック)について詳しくは「契約書の作成・リーガルチェック」をご覧ください。
実際のビジネスでは、契約書の不備が原因で数百万円の損失が発生するケースや、労務管理の問題から訴訟に発展するケースは珍しくありません。顧問弁護士がいれば、こうしたリスクを事前に発見し、適切な対策を講じることができます。
メリット2|トラブル発生時に迅速対応できる
ビジネスでトラブルが発生した際、対応のスピードは解決の成否を大きく左右します。顧問弁護士がいれば、トラブル発生直後から相談でき、初動対応を誤るリスクを大幅に減らせます。
顧問契約がない場合、まず弁護士を探すところから始めなければなりません。複数の法律事務所に問い合わせ、相談日程を調整し、自社の状況を一から説明する必要があります。この間にも問題は進行し、対応が後手に回ってしまうことが少なくありません。
顧問弁護士であれば、すでに自社の事業内容や経営方針を理解しているため、状況説明の手間も省け、的確なアドバイスをすぐに受けることができます。
メリット3|自社に合った的確なアドバイスが受けられる
顧問弁護士は、継続的な関係の中で自社のビジネスモデル、経営課題、業界特性を深く理解していきます。そのため、法律論だけでなく「経営判断としてどうすべきか」という視点からアドバイスを受けることができます。
たとえば「法的には問題ないが、取引先との関係を考えると別の方法が望ましい」「この対応は法的にはグレーだが、業界慣行を踏まえると許容範囲」といった実務的な判断は、自社をよく知る顧問弁護士だからこそ可能です。
弁護士法人エースでは、代表弁護士自身が複数法人の代表を兼任しており、経営者としての実体験に基づいたアドバイスを提供しています。法律の専門家であると同時に、経営者の悩みに寄り添えるパートナーとしての役割を重視しています。
メリット4|気軽に相談できる安心感
顧問契約を結んでいると、「こんな些細なことで弁護士に相談していいのだろうか」という心理的なハードルがなくなります。予約なしで電話やメールで相談できる環境があることで、問題が小さいうちに相談し、大きなトラブルに発展することを防げます。
多くの経営者の方が「もっと早く相談していれば」と後悔するケースを、当事務所でも数多く見てきました。些細な疑問でも気軽に相談できる関係があることは、経営者の方にとって大きな安心材料となります。
当事務所では、電話・メールでの相談に加え、LINEでの相談にも対応しています。「弁護士に相談する」という心理的ハードルを下げ、ちょっとした疑問もすぐに確認できる体制を整えています。
メリット5|弁護士費用の割引を受けられる
顧問契約を結んでいる場合、訴訟対応や契約書作成など個別の案件を依頼する際に、通常料金から1割〜3割程度の割引を受けられることが一般的です。
たとえば、取引先との紛争が訴訟に発展した場合、通常であれば着手金・報酬金を合わせて数十万円〜数百万円の費用がかかります。顧問契約があれば、この費用が2割引になるだけでも、顧問料の数か月分〜数年分に相当する金額を節約できる計算になります。
当事務所では、顧問契約をいただいているお客様には、個別案件のご依頼時に通常料金の2割引でご対応しています。顧問弁護士の費用について詳しくは「顧問弁護士の費用相場と料金体系」をご覧ください。
メリット6|対外的な信頼性が向上する
「顧問弁護士がいる」という事実は、取引先や金融機関に対して、コンプライアンス(法令遵守)への意識が高い企業であることをアピールできます。
特に、大手企業との新規取引開始時や、金融機関からの融資審査において、顧問弁護士の存在がプラスに評価されるケースは少なくありません。また、悪質なクレーマーや不当な要求をしてくる相手に対しても、「顧問弁護士に相談します」と伝えることで、牽制効果を発揮することもあります。
顧問弁護士を依頼するデメリット・注意点
メリットだけでなく、デメリットや注意点も正直にお伝えします。顧問弁護士の導入を検討する際には、以下の点も踏まえて判断することをおすすめします。
デメリット1|毎月の固定費が発生する
顧問弁護士を依頼する最大のデメリットは、トラブルの有無にかかわらず毎月顧問料が発生することです。顧問料の相場は月額3万円〜10万円程度で、中小企業向けの標準的なプランは月額5万円前後が多くなっています。
「今月は相談することがなかった」という月でも顧問料は発生するため、費用対効果を疑問視する声もあります。
ただし、この点については「保険」と同じ考え方ができます。火災保険や自動車保険も、事故が起きなければ保険料は「無駄」に見えますが、いざという時の備えとして加入しているはずです。顧問弁護士も同様に、トラブルが起きなかったことこそが予防法務の成果であり、その価値は目に見えにくいものの、確実に存在しています。
また、相談が少ない月が続いた後に大きな案件を依頼する場合、それまでの顧問料を考慮して費用を調整してくれる弁護士も多いです。
デメリット2|弁護士との相性が合わないリスク
顧問契約は長期的な関係を前提としているため、弁護士との相性が合わない場合はストレスになります。「話が噛み合わない」「レスポンスが遅い」「専門用語ばかりで分かりにくい」といった不満を感じながら契約を続けることは、本末転倒です。
この問題を避けるためには、契約前に十分な面談を行い、弁護士の人柄やコミュニケーションスタイルを確認することが重要です。多くの法律事務所では、顧問契約前に無料相談を実施しています。
当事務所では、初回相談を無料でご提供しており、実際にお話しいただいた上で契約を検討いただけます。「この弁護士と長く付き合っていけそうか」という視点で、ぜひ複数の事務所を比較してみてください。失敗しない顧問弁護士の選び方について詳しくは「顧問弁護士の選び方」をご覧ください。
デメリット3|対応範囲の確認が必要
顧問契約の内容は法律事務所によって異なります。「月額○万円で相談無制限」という事務所もあれば、「月○時間まで」という制限を設けている事務所もあります。また、契約書のリーガルチェックは含まれるが、契約書の新規作成は別料金というケースもあります。
契約前に、自社が必要としているサービスが顧問料の範囲内に含まれているかどうか、別途費用が発生するケースは何かを明確に確認しておくことが重要です。
当事務所の顧問契約では、月額5万円〜で月3時間相当の法律業務が含まれており、電話・メール・LINEでの相談は予約不要で無制限にご利用いただけます。個別事件のご依頼時は通常料金の2割引となります。
スポット依頼との比較|どちらが有利か
顧問契約を結ばずに、必要な時だけ弁護士に依頼する「スポット依頼」という選択肢もあります。どちらが自社にとって有利かを判断するため、両者を比較してみましょう。
スポット依頼のメリット・デメリット
スポット依頼の最大のメリットは、固定費がかからないことです。トラブルが発生した時だけ費用を支払えばよいため、法的なトラブルが少ない企業にとってはコストを抑えられます。
一方で、スポット依頼には以下のようなデメリットがあります。
まず、トラブル発生時に弁護士を探す手間と時間がかかります。相談できる弁護士を見つけ、予約を取り、事務所を訪問し、自社の状況を一から説明する必要があります。この間にも問題は進行してしまいます。
次に、スポットで依頼する弁護士は自社のことを知らないため、ビジネスの背景や業界特性を踏まえた的確なアドバイスを得にくくなります。法律論としては正しくても、自社の状況に合わない助言になる可能性があります。
また、スポット依頼の場合は通常料金での対応となるため、1回あたりの費用は顧問契約がある場合よりも高くなりがちです。法律相談だけでも30分5,000円〜1万円程度の費用が発生するのが一般的です。
さらに、スポット依頼は問題が発生してからの対応が中心となるため、予防法務の取り組みが難しくなります。トラブルを未然に防ぐという視点が欠けがちです。
顧問契約が有利になるケース
以下のような状況にある企業では、顧問契約のメリットが大きくなります。
従業員を雇用している企業は、労務問題のリスクが常に存在します。採用・解雇・ハラスメント・残業問題など、従業員との関係でトラブルが発生する可能性がある場合は、顧問弁護士がいることで安心です。就業規則の整備について詳しくは「就業規則の作成・見直し」をご覧ください。
取引先との契約が多い企業は、契約書のリーガルチェックを頻繁に行う必要があります。月に数件の契約書チェックを依頼するだけでも、スポット依頼よりも顧問契約の方が費用対効果は高くなります。
事業拡大や新規事業を検討している企業は、法的なリスク確認や許認可の問題など、相談事項が増えていきます。成長フェーズにある企業ほど、顧問弁護士の存在価値は高まります。
過去にトラブルを経験した企業は、再発防止の観点から顧問弁護士との契約を検討すべきです。同じ失敗を繰り返さないための体制整備が必要です。
一方で、創業直後で取引もほとんどない企業、従業員を雇用しておらず個人で完結するビジネスを行っている企業など、法的なリスクが限定的な場合は、スポット依頼で対応するという選択肢も合理的です。
顧問弁護士がいない会社のリスク
「うちの会社は小さいから顧問弁護士は必要ない」と考える経営者の方も多いのですが、むしろ中小企業こそ1つのトラブルが会社の存続を左右しかねません。顧問弁護士がいないことで生じるリスクを整理します。
トラブル発生時に対応が遅れる
トラブルが発生してから弁護士を探し始めると、対応が後手に回ります。特に、相手方がすでに弁護士を立てている場合、こちらの対応が遅れるほど不利な状況に追い込まれやすくなります。
労働審判であれば原則3回以内の期日で結論が出るため、初動の遅れは致命的です。取引先とのトラブルでも、早期に専門家の助言を得られなかったことで、不利な和解を余儀なくされるケースは少なくありません。
予防法務ができず不利な状況になる
顧問弁護士がいなければ、日常的に契約書をチェックしたり、社内規程を整備したりする機会がありません。その結果、問題のある契約書にサインしてしまったり、就業規則が法改正に対応していなかったりといった状況が放置されがちです。
問題が発覚するのは、たいていトラブルが起きた後です。その時点で「契約書にこう書いてあるから」「就業規則がこうなっているから」と主張しても、すでに手遅れというケースは珍しくありません。
契約書の不備で損失を被る
契約書の不備は、想像以上に大きな損失をもたらします。代金の支払条件が曖昧で債権回収できない、解約条項がなく不利な契約から抜け出せない、秘密保持義務の範囲が不明確で情報漏洩のリスクを負う、といった問題は、いずれも契約時点での確認不足が原因です。
中小企業の場合、1件の取引トラブルが数百万円〜数千万円の損失につながることもあります。顧問料を惜しんだ結果、それをはるかに上回る損失を被るのでは本末転倒です。
このような問題でお困りの場合は、ぜひ一度ご相談ください。当事務所では初回相談を無料で承っております。
顧問弁護士を活用して成功した事例
顧問弁護士の価値は、具体的な活用事例を見ることでより明確になります。
ある製造業のお客様では、新規取引先から提示された契約書について顧問弁護士に相談したところ、代金支払いの条件や瑕疵担保責任の範囲に問題があることが判明しました。修正交渉を行った結果、不利な条件を回避でき、その後も良好な取引関係を構築できました。もし顧問弁護士がいなければ、問題のある契約書にそのままサインしていた可能性があります。
別のIT企業のお客様では、従業員から残業代請求を受けた際に、すぐに顧問弁護士に相談できたことで、初動対応を誤らずに済みました。就業規則や勤怠記録を確認した結果、請求額の大部分は根拠がないことが判明し、適切な金額での和解に至りました。顧問弁護士がいなければ、慌てて不利な条件を飲んでしまっていたかもしれません。
当事務所では、士業連携によるワンストップサービスを提供しています。法律問題だけでなく、労務問題については弁護士とグループ内の社労士法人が連携して対応し、税務については通知税理士登録済みの弁護士がサポートいたします。顧問弁護士の具体的な活用事例については「顧問弁護士の活用事例」をご覧ください。
まとめ
顧問弁護士を依頼することには、トラブルの未然防止、迅速な対応、的確なアドバイス、気軽な相談環境、費用の割引、対外的な信頼性向上という6つのメリットがあります。一方で、毎月の固定費、弁護士との相性、対応範囲の確認という注意点もあります。
スポット依頼と比較した場合、従業員を雇用している企業、取引先との契約が多い企業、事業拡大を検討している企業では、顧問契約のメリットが大きくなります。特に中小企業では、1つのトラブルが会社の存続を左右しかねないため、予防法務の観点から顧問弁護士の存在は重要です。
顧問弁護士を選ぶ際には、費用だけでなく、自社との相性やコミュニケーションのしやすさも重視してください。当事務所では、経営者の方に寄り添う「パートナー型」の顧問弁護士サービスを提供しています。
LINEでの気軽な相談、複数弁護士・パラリーガルによるチーム対応、グループ内社労士法人との連携によるワンストップサービスなど、経営者の方が「使いやすい」と感じていただける体制を整えています。顧問弁護士サービスの詳細については「顧問弁護士とは」をご覧ください。
顧問弁護士の必要性について迷われている方は、まずは無料相談をご活用ください。電話相談受付は年中無休で8:00〜22:00まで対応しております(0120-419-155)。当事務所ウェブサイトからもお気軽にお問い合わせください。
監修者プロフィール
弁護士法人エース 代表弁護士
竹内 省吾
- 経歴
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慶應義塾大学法学部卒業(2009)
慶應義塾大学法科大学院卒業(2011)
弁護士登録(2012)
第一東京弁護士会・こども法委員会 委員(2020まで)
三田法曹会 会員
日本交通法学会 会員
東京都子供の権利擁護調査員(2020まで)
静岡県弁護士会 会員(2020から2023まで)
第一東京弁護士会 会員(2023)
監修者プロフィール
弁護士法人エース 代表弁護士
成田 翼
- 経歴
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明治大学法学部卒業(2009)
慶應義塾大学法科大学院卒業(2012)
弁護士登録(2013)
神奈川県弁護士会 所属
刑事弁護委員会 委員
三田法曹会 会員