契約書作成を弁護士に依頼するメリットと費用相場
契約書作成を弁護士に依頼したいけれど、費用がどのくらいかかるのかわからず躊躇している経営者の方は多いのではないでしょうか。インターネットで入手できるひな形を使えばコストを抑えられますが、取引の実態に合わない契約書は、いざトラブルが起きたときに役に立たないどころか、自社に不利に働くこともあります。本記事では、契約書作成を弁護士に依頼するメリットと費用相場について詳しく解説します。専門家への依頼を検討されている経営者の方は、ぜひ参考にしてください。
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契約書作成を弁護士に依頼する5つのメリット
契約書作成を弁護士に依頼することで、自社で作成する場合や行政書士に依頼する場合とは異なる、さまざまなメリットを得ることができます。
自社の取引実態に合った契約書が作成できる
弁護士に契約書作成を依頼すると、まず取引の経緯やビジネスモデル、当事者間の力関係など、契約に必要な情報について丁寧なヒアリングが行われます。このヒアリングをもとに、取引の実態を反映した「オーダーメイドの契約書」が作成されるため、ひな形では対応しきれない個別の事情にも対応できます。
法的リスクを回避できる
契約書には、民法や商法はもちろん、業界特有の法規制など、さまざまな法律が関係してきます。弁護士は、契約内容が関連法規に違反していないかを確認し、法的に無効となる条項がないかをチェックします。法改正にも対応した契約書を作成できるため、「知らないうちに違法な契約を締結していた」というリスクを回避できます。
将来のトラブルを予防できる
契約書の大きな役割は、将来発生する可能性のあるトラブルを未然に防ぐことです。弁護士は、過去の紛争事例や判例をもとに、どのような条項を入れておけばトラブルを防げるかを検討します。曖昧な表現を排除し、権利義務を明確にすることで、解釈の違いによる争いを防止できます。
契約交渉を有利に進められる
弁護士は契約交渉のサポートも行えます。相手方から提示された契約書に不利な条項が含まれている場合、どの部分をどのように修正すべきかアドバイスを受けられます。また、弁護士が作成した契約書は相手方に対する牽制効果もあり、不当な要求を抑制する効果も期待できます。
万が一の紛争にも対応できる
契約書を作成した弁護士であれば、契約の背景や意図を把握しているため、万が一トラブルが発生した場合にもスムーズに対応できます。契約書の作成段階から紛争対応まで一貫してサポートを受けられる点は、弁護士に依頼する大きなメリットです。
契約書作成の費用相場
契約書作成の費用は、契約の種類や複雑さによって異なります。一般的な費用相場は以下のとおりです。
定型的な契約書の場合
秘密保持契約書(NDA)や簡易な売買契約書など、定型的な内容の契約書であれば、5〜10万円程度が相場です。ただし、条項数や取引内容によっては、この範囲を超えることもあります。
複雑な契約書の場合
業務委託契約書、取引基本契約書、ライセンス契約書など、取引内容が複雑で記載条項が多い契約書の場合は、10〜30万円程度が相場となります。取引金額が大きい場合や、特殊な条項が必要な場合は、さらに高額になることもあります。
顧問契約を締結している場合
顧問弁護士がいる場合は、顧問料の範囲内で対応してもらえるケースや、個別案件の費用が割引になるケースが多いです。日本弁護士連合会のアンケートによれば、顧問契約がある場合は顧問料の範囲内で対応する事務所が約11%あり、それ以外でも割引料金が適用されることが一般的です。契約書の作成頻度が高い企業にとっては、顧問契約を締結した方がトータルコストを抑えられる可能性があります。
費用に影響する要素
契約書作成の費用は、いくつかの要素によって変動します。依頼前に確認しておくことで、予算との兼ね合いを検討しやすくなります。
契約の複雑さ・専門性
新規のビジネスモデルに関する契約や、専門的な知識が必要な契約は、弁護士の調査・検討に時間がかかるため、費用が高くなる傾向にあります。国際取引や知的財産権が絡む契約なども同様です。
条項数・ページ数
契約書の分量も費用に影響します。条項数が多いほど、また特殊な条項を追加する必要があるほど、作成にかかる時間と労力が増えるため、費用も上がります。
交渉サポートの有無
契約書の作成だけでなく、相手方との交渉を代理してもらう場合は、別途費用がかかります。交渉に要する時間や難易度によって費用は異なりますが、着手金と成功報酬を設定している事務所が多いです。
ヒアリング・調査の範囲
契約書作成にあたり、関係者からの事情聴取や利害関係の調整が必要な場合は、その分の費用が加算されることがあります。複雑な取引ほど、事前のヒアリングや調査に時間がかかります。
ひな形をそのまま使うリスク
インターネット上には多くの契約書のひな形が公開されており、無料でダウンロードできるものも少なくありません。しかし、ひな形をそのまま使用することには、以下のようなリスクがあります。
取引実態との乖離
ひな形は汎用性を重視して作成されているため、個別の取引事情を反映していません。契約の当事者間の力関係や、取引に至る経緯などの重要な要素が抜け落ちていることが多く、いざトラブルが発生した際に「契約書に書いてあること」と「実際の合意内容」が異なるという事態が生じかねません。
自社に不利な条項が含まれている可能性
ひな形は中立的な立場で作成されていることが多く、場合によっては自社にとって不利な内容が含まれていることがあります。特に、大企業から提示された契約書をそのまま受け入れてしまうと、中小企業側に一方的に不利な「不平等条約」となってしまうケースもあります。
曖昧な表現が残っている
「当事者間の協議の上決定する」「別途定める」といった表現は、ひな形によく見られます。これらの曖昧な表現を具体化しないまま契約を締結すると、将来のトラブルの原因となります。
法改正に対応していない
過去に作成されたひな形は、最新の法改正に対応していない可能性があります。例えば、2024年11月に施行されたフリーランス新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)への対応が必要な業務委託契約など、法改正によって必要な条項が変わることがあります。
契約書の一言の違いによって、数百万円から数千万円の賠償額が変わることもあります。コスト削減のためにひな形を使用したつもりが、結果的に大きな損失につながるリスクがあることを認識しておくことが大切です。
弁護士に依頼する際の流れ
契約書作成を弁護士に依頼する場合、一般的には以下のような流れで進みます。
ステップ1:相談・ヒアリング
まず、弁護士に相談し、どのような契約書が必要なのかを説明します。取引の内容、相手方との関係、契約に至った経緯、懸念している点などを伝えます。弁護士はヒアリング内容をもとに、必要な条項や注意すべきポイントを整理します。多くの法律事務所では初回相談を無料で受け付けていますので、まずは相談してみることをおすすめします。
ステップ2:見積もり・依頼
ヒアリング内容をもとに、弁護士から費用の見積もりが提示されます。費用や対応範囲に納得できれば、正式に依頼します。この段階で、納期や修正対応の範囲なども確認しておくとよいでしょう。
ステップ3:ドラフト作成
弁護士が契約書のドラフト(草案)を作成します。取引の実態を反映し、法的リスクを回避するための条項を盛り込んだ契約書案が作成されます。
ステップ4:確認・修正
作成されたドラフトを確認し、修正が必要な箇所があれば弁護士に伝えます。内容について疑問点があれば、この段階で質問しておくことが重要です。必要に応じて、複数回の修正が行われます。
ステップ5:完成・納品
修正を経て契約書が完成したら、納品となります。相手方との交渉が必要な場合は、弁護士に交渉サポートを依頼することも可能です。
→ 契約書の作成については、契約書の作成・リーガルチェックのページでも詳しく解説しています。
弁護士法人エースの契約書作成サポート
弁護士法人エースでは、中小企業の経営者の方に向けて、契約書作成のサポートを行っています。
経営者視点でのアドバイス
当事務所の代表弁護士は複数法人の代表を兼任しており、経営者としての実体験を持っています。法律論だけでなく、「法的には正しいが経営的には得策ではない」といった視点からもアドバイスが可能です。契約書は単なる法律文書ではなく、ビジネスを守るための「武器」であり「盾」です。取引の実態に即した、実効性のある契約書を作成します。
顧問契約でさらにお得に
当事務所では、月額5万円からの顧問契約をご用意しています。顧問契約を締結いただくと、電話・メール・LINEでの相談が無制限、個別案件は通常料金の20%割引となります。契約書の作成やリーガルチェック(契約書レビュー)を継続的にご依頼いただく企業様にとっては、スポットで依頼するよりも費用を抑えられるケースが多いです。
→ 顧問弁護士サービスの詳細については、顧問弁護士の費用相場と料金体系もあわせてご覧ください。
複数担当制で安心のレスポンス
当事務所では、複数の弁護士・パラリーガルがチームで対応する複数担当制を採用しています。担当者が不在でも対応可能な体制を整えており、「急いで契約書を確認してほしい」というご要望にもスピーディーに対応できます。LINEでの気軽なコミュニケーションにも対応しており、「弁護士に相談する」という心理的ハードルを下げています。
万が一の紛争対応まで一貫サポート
契約書を作成した弁護士が、万が一のトラブル発生時にも対応します。契約の背景や意図を把握しているからこそ、迅速かつ的確な対応が可能です。
契約書の作成について不安や疑問がある方は、お気軽にご相談ください。初回相談は無料で承っております。
電話相談受付:0120-419-155(年中無休 8:00〜22:00)
まとめ
契約書作成を弁護士に依頼することで、取引の実態に合った契約書を作成でき、法的リスクの回避やトラブルの予防が可能になります。費用相場は定型的な契約書で5〜10万円程度、複雑な契約書で10〜30万円程度が目安ですが、顧問契約を活用することで費用を抑えられるケースも多いです。
インターネット上のひな形をそのまま使用することはコスト削減になるように見えますが、取引実態との乖離や不利な条項の見落としなど、大きなリスクを伴います。契約書の一言の違いが、将来の数百万円、数千万円の損失につながることもあります。
契約書は会社を守る「盾」であり、ビジネスを有利に進める「武器」でもあります。重要な取引を控えている場合や、契約書の内容に不安がある場合は、早めに弁護士に相談されることをおすすめします。
弁護士法人エースでは、中小企業の経営者の方に向けて、契約書の作成からリーガルチェック、万が一の紛争対応まで一貫したサポートを提供しています。初回相談は無料ですので、契約書に関するお悩みがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
電話相談受付:0120-419-155(年中無休 8:00〜22:00)
監修者プロフィール
弁護士法人エース 代表弁護士
竹内 省吾
- 経歴
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慶應義塾大学法学部卒業(2009)
慶應義塾大学法科大学院卒業(2011)
弁護士登録(2012)
第一東京弁護士会・こども法委員会 委員(2020まで)
三田法曹会 会員
日本交通法学会 会員
東京都子供の権利擁護調査員(2020まで)
静岡県弁護士会 会員(2020から2023まで)
第一東京弁護士会 会員(2023)
監修者プロフィール
弁護士法人エース 代表弁護士
成田 翼
- 経歴
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明治大学法学部卒業(2009)
慶應義塾大学法科大学院卒業(2012)
弁護士登録(2013)
神奈川県弁護士会 所属
刑事弁護委員会 委員
三田法曹会 会員