税金・年金・国保と債務整理
Q.
税金・年金・国保は債務整理の対象?
A.
結論から言いますと、税金・年金・国保は、債務整理の対象になりません。
自己破産の場合
自己破産においては、免責許可の決定が確定すると、借金の返済義務が免除されますが、例外的に、返済義務を免除されない債務があります。
これらを、非免責債務と言い、
破産法253条ただし書き1号~7号に規定されています。
このうち、破産法253条ただし書き1号に規定されているのが「租税等の請求権」であり、税金、国民年金保険料、国民健康保険料はこれにあたるため、返済義務を免れません。
したがって、税金、国民年金保険料、国民健康保険料の滞納がある場合、
自己破産をしても、滞納額を支払わなければなりません。
個人再生の場合
個人再生においては、原則として全ての債権について公平に、最低返済額の範囲で減額された金額にて、3年での分割返済となりますが、例外として、再生手続によらず、随時弁済すべき債権が定められています。
そのうちの一つとして、民事再生法122条は、「一般優先債権」(一般の債権より優先すべき債権)につき、再生手続の対象外とする旨定めています。
税金、国民年金保険料、国民健康保険料は、この一般優先債権にあたり、再生手続の対象外とされ、随時弁済する必要があることから、
個人再生の手続開始後も、滞納している税金等も含めて支払を免れることはできません。
任意整理の場合
任意整理についても、税金、国民年金保険料、国民健康保険料は対象外とされており、役所が任意整理に応じることはありません。
税金等の滞納があり、支払が困難な事情がある場合には、役所に、分割払い等の相談をされることをお勧めします。
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