石綿(アスベスト)健康被害賠償金について
石綿(アスベスト)健康被害賠償とは?
石綿(アスベスト)を使用していた事業場等で働いていた経験のある方が,肺がんや中皮腫などの傷病を発症した場合,国からの賠償金として550〜1300万円の支払いを受けることのできる制度です。制度の建てつけとしては,裁判を提起した上で裁判上の和解をするという形を取りますが,石綿(アスベスト)健康被害の国の責任を認めた最高裁判決が平成26年10月9日に出されて以来,国は一定の要件を満たす方に対しては,病状に応じた賠償金(和解金)を支払うようにしています。
その要件というのは,
1 昭和33年5月26日〜昭和46年4月28日までの間に石綿(アスベスト)粉塵に曝露する作業に従事していたこと
2 石綿関連疾患(石綿肺,肺がん,中皮腫,びまん性胸膜肥厚など)に罹患したこと
3 提訴時期が損害賠償請求期間内であること
です。
これらの中で,はっきりと一般市民の当事者の方が認識できるのは2だけではないでしょうか。なので,石綿関連疾患に罹患した方やそのご家族の方は,まずは自分がこの賠償金を受け取れる対象であるのかについて石綿(アスベスト)健康被害賠償に精通した弁護士に相談してみることをお勧めします。多くの法律事務所が相談料無料で相談を受けてくれます。
もちろん,弁護士法人エースも相談料無料で相談できますので,お気軽にお問い合わせください。
認められる賠償金(和解金)額は?
この制度により認められる賠償金額は,以下のように,病状により550万円〜1300万円です。
(厚生労働省のサイトより引用)
ただし,弁護士に依頼した場合には,上記金額に弁護士費用相当分として10%を加算した金額が支払われます。
労災給付を受けていても賠償金も受け取れる!
石綿(アスベスト)健康被害を受けた方の中には,既に労災給付を受けたので賠償金は受け取れないと思ってしまっている方がいますが,受け取れます。この国が認めている賠償金と労災給付では支給の目的が違うためです。
すなわち,労災給付は,休業損害や逸失利益(労働が制限されることによる減収を補填するもの)の補填のために支給されるものですが,この賠償金については国が石綿(アスベスト)健康被害を防止する措置を取らなかったことに対する慰謝料的な性質のものだからです。
逆に労災認定されているような方は,ある程度,情報が整理されていることもあり賠償金を受け取りやすいとも言えます。労災給付を受けてた,受けているという方で賠償金を受け取っていない方は,一度弁護士に相談してみてください。
個別通知が来るとは限りません。
石綿(アスベスト)健康被害に遭われた方に対して,厚生労働省から個別の通知がなされると聞いたことがある方も多いと思います。実際,厚生労働省が把握している限りの方にはこの個別通知が行われているようです。なので,この通知が来た方は賠償金を受け取れる可能性がかなり高いということです。
他方で,当然のことですが,国も全ての被害者を把握しているわけではありませんから,個別通知が来ない方の中にも賠償金の支給要件を満たす方はたくさんいます。個別通知がないので対象にならない,というのは完全に誤った認識ですので,少しでも「対象かも?」と思われる方は,石綿(アスベスト)健康被害賠償請求に精通した弁護士に相談してみてください。
石綿健康被害救済法とは違うの?
石綿健康被害救済法という法律がありますが,この記事内で紹介している賠償金を受け取れる受け取れないの問題は,この法律とは全く別のものです。
石綿健康被害救済法は,賠償金の制度よりも広く石綿健康被害に遭われた方への補償を実施するものです。労災補償の対象とならない周辺住民の方や,時効等により労災補償を受けられなかった労働者の方も対象となり,医療費や療養手当(月額10万3870円)等の支給があります。
また,労災補償を受けずに亡くなった方の遺族には特別遺族年金(年240万円)または特別遺族一時金(1200万円)が給付されます。
石綿健康被害救済法による給付を受けられていても,賠償金(和解金)を受け取れます。ただし,同法による給付を受けているからといって必ず賠償金(和解金)が受けられるわけではありません。
石綿(アスベスト)健康被害は,労災給付,石綿健康被害救済法,そして賠償金という3つの制度によって補償がされています。それほど,日本社会において大きな健康被害事例だったということです。
どれかに該当するかも?と思われる方は,ぜひ一度専門家である弁護士に相談してみてください。
私たち弁護士法人エースも,石綿(アスベスト)健康被害に関する国家賠償金請求の獲得のサポートに力を入れています。専門サイトもありますので,そちらも是非ご覧下さい。
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