景品表示法とは?広告・表示規制と企業の対応ポイント
景品表示法(景表法)は、広告やマーケティングに携わるすべての企業に関わる法律です。商品やサービスの品質・価格について実際より良く見せる表示を行うと、措置命令や課徴金納付命令の対象となります。2024年10月の改正では直罰規定が新設され、課徴金の加算制度も導入されました。この記事では、景品表示法の基本ルールから、不当表示の具体例、課徴金制度の仕組み、そして企業が取るべき対策までを解説します。
INDEX
景品表示法とは
景品表示法(不当な広告や表示を規制する法律。正式名称は不当景品類及び不当表示防止法)は、一般消費者の利益を保護するために、不当な表示や過大な景品類を規制する法律です。略称で「景表法」とも呼ばれます。
この法律が規制する内容は、大きく2つに分かれます。
| 規制の種類 | 内容 |
|---|---|
| 表示規制 | 商品・サービスの品質や価格について、実際より著しく優良・有利であると消費者に誤認させる表示を禁止 |
| 景品規制 | 商品・サービスの販売に伴う景品類(おまけ・懸賞金等)の上限額を規制 |
対象となる「表示」は、テレビCM・新聞広告・チラシ・Webサイト・SNS投稿・店頭POP・パッケージ表記など、消費者が商品選択の参考にするあらゆる表示を含みます。EC事業やSNSマーケティングを行う企業にとっても、極めて身近な法律です。
不当表示の種類
景品表示法が禁止する不当表示は、主に以下の3つに分類されます。
優良誤認表示(第5条第1号)
商品やサービスの品質・規格・性能について、実際のものよりも著しく優良であると消費者に誤認させる表示です。
具体例:
– 国産牛肉ではないのに「国産和牛100%使用」と表示
– 科学的根拠がないのに「飲むだけで10kg減量」と広告
– 他社と同等の性能なのに「業界No.1の性能」と表示
– 実際には合成繊維なのに「天然素材100%」と表記
優良誤認表示については、消費者庁が事業者に対して表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができます(不実証広告規制)。15日以内に合理的な根拠を提出できない場合、不当表示とみなされます。
有利誤認表示(第5条第2号)
商品やサービスの価格・取引条件について、実際よりも著しく有利であると消費者に誤認させる表示です。
具体例:
– 通常価格を不当に高く設定し、「通常10,000円→特別価格5,000円」と二重価格表示
– 実際には追加料金が発生するのに「月額980円で使い放題」と広告
– 他社と同じ条件なのに「他社では絶対に真似できない特別条件」と表示
– 「先着100名様限定」と表示しながら実際には制限なし
その他の不当表示(第5条第3号)
内閣総理大臣が指定する不当表示で、以下の6つが指定されています。
- 無果汁の清涼飲料水等の表示
- 商品の原産国に関する不当表示
- 消費者信用の融資費用に関する不当表示
- 不動産のおとり広告
- おとり広告に関する表示
- 有料老人ホームに関する不当表示
景品規制の概要
景品表示法は、商品販売に伴う景品類(おまけ・懸賞金等)の上限額も規制しています。
| 景品の種類 | 上限額 |
|---|---|
| 総付景品(もれなくもらえる) | 取引価額の20%(取引価額1,000円未満は200円) |
| 一般懸賞(くじ等) | 取引価額の20倍かつ10万円以内。総額は売上予定総額の2% |
| 共同懸賞(商店街等が共同で行う) | 取引価額にかかわらず30万円。総額は売上予定総額の3% |
キャンペーンや販促企画を実施する際は、景品類の上限額を確認しておくことが必要です。
違反した場合の処分と課徴金制度
景品表示法に違反した場合、以下の処分を受ける可能性があります。
措置命令
消費者庁(または都道府県知事)は、不当表示を行った事業者に対して措置命令を発出できます。措置命令の内容は以下のとおりです。
- 違反行為の差止め
- 違反事実の公示(消費者への周知)
- 再発防止策の実施
- 今後同様の行為を行わないことの命令
措置命令は事業者名とともに公表されるため、レピュテーションへの影響が大きいです。
課徴金納付命令
優良誤認表示・有利誤認表示を行った場合、課徴金納付命令の対象となります。
- 課徴金額: 対象商品・役務の売上額の3%
- 対象期間: 最長3年間
- 加算制度: 10年以内に違反を繰り返した事業者は1.5倍の4.5%加算(2024年改正で新設)
たとえば、年間売上1億円の商品で1年間不当表示を行った場合、課徴金は300万円になります。3年間であれば900万円です。中小企業にとっては経営を揺るがす金額になりかねません。
直罰規定(2024年改正で新設)
2024年10月の改正により、優良誤認表示・有利誤認表示に対する直罰(100万円以下の罰金)が新設されました。従来は行政処分が先行する仕組みでしたが、改正後は行政処分を経ずに刑事罰が科される可能性があります。
確約手続の導入
2024年改正では、確約手続も導入されました。違反の疑いがある表示を行った事業者が、自主的に是正措置計画を作成・申請し、消費者庁の認定を受けた場合、措置命令や課徴金納付命令を免れることができます。早期に是正措置を講じることで、企業のダメージを最小限に抑える手段といえます。
このような景品表示法に関するトラブルでお悩みの場合は、早めに専門家へご相談されることをおすすめします。弁護士法人エースでは、経営者の視点に立った実践的なアドバイスを行っています。初回相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
企業の対応ポイント
景品表示法違反を防ぐために、企業が取り組むべき対策を整理します。
社内管理体制の整備
景品表示法では、事業者に対して表示等の管理上の措置を講じることが義務付けられています(第26条)。具体的には以下の取り組みが求められます。
- 景品表示法の周知・啓発: 従業員への定期研修
- 法令遵守の方針の明確化: 社内規程の策定
- 表示等に関する情報の確認: 根拠資料の保管
- 表示等に関する情報の共有: 部門間の連携体制
- 表示等を管理するための担当者の設置: 責任者の明確化
- 表示等の根拠となる情報の保管: 合理的根拠資料の適切な管理
- 不当表示等が明らかになった場合の迅速な対応: 自主的な是正手順
広告チェック体制の構築
広告やWebサイトの表記について、公開前に複数の目でチェックする体制を構築しましょう。チェックすべきポイントは以下のとおりです。
- 品質・性能に関する表示に合理的根拠があるか
- 二重価格表示の比較対象価格は適正か
- 「No.1」「業界最安」等の表現に客観的根拠があるか
- キャンペーン条件に虚偽や誤解を招く表現がないか
→ 消費者トラブル全般の予防策については『消費者トラブルの予防策|社内体制とコンプライアンス整備』で詳しく解説しています。
弁護士によるリーガルチェック
広告表現や販促企画について、弁護士に事前にチェックしてもらうことで、違反リスクを大幅に低減できます。特に新商品のローンチやキャンペーン実施時には、専門家の目を通すことをおすすめします。
景品表示法の対応を弁護士に依頼するメリット
景品表示法は、判断基準が曖昧なケースも多く、企業だけで違反リスクを見極めることは容易ではありません。弁護士に相談することで、以下のメリットがあります。
広告・表示の事前チェック
弁護士法人エースでは、広告やWebサイトの表記について、景品表示法に基づくリーガルチェックを行っています。違反の可能性がある表現を事前に修正し、安全な広告運用をサポートします。
措置命令・課徴金への対応
万が一消費者庁から調査を受けた場合、弁護士が代理人として対応し、確約手続の活用も含めた最善の対応策を検討します。複数弁護士・パラリーガルによるチーム体制で迅速に対応します。
経営判断としてのアドバイス
代表弁護士自身が経営者でもあるため、「この広告表現はリスクに見合うか」という経営的な視点からもアドバイスが可能です。LINEでの相談にも対応しており、広告掲載前の迅速な確認が可能です。
まとめ
景品表示法は、広告やマーケティングを行うすべての企業に適用される法律です。優良誤認表示・有利誤認表示を行うと、措置命令や課徴金納付命令の対象となり、2024年改正では直罰規定も新設されました。社内管理体制の整備、広告チェック体制の構築、そして弁護士によるリーガルチェックを通じて、違反リスクを未然に防ぐことが重要です。
→ 消費者問題全般については『消費者問題への企業対応|経営者が知るべき法律と実務ガイド』をご覧ください。
弁護士法人エースでは、景品表示法に関するご相談を初回無料でお受けしています。
- 複数弁護士・パラリーガルによる迅速対応
- LINE・電話・メールでいつでも相談可能
- 経営者のパートナーとして伴走
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電話相談受付:0120-419-155(年中無休 8:00〜22:00)
監修者プロフィール
弁護士法人エース 代表弁護士
竹内 省吾
- 経歴
-
慶應義塾大学法学部卒業(2009)
慶應義塾大学法科大学院卒業(2011)
弁護士登録(2012)
第一東京弁護士会・こども法委員会 委員(2020まで)
三田法曹会 会員
日本交通法学会 会員
東京都子供の権利擁護調査員(2020まで)
静岡県弁護士会 会員(2020から2023まで)
第一東京弁護士会 会員(2023)
監修者プロフィール
弁護士法人エース 代表弁護士
成田 翼
- 経歴
-
明治大学法学部卒業(2009)
慶應義塾大学法科大学院卒業(2012)
弁護士登録(2013)
神奈川県弁護士会 所属
刑事弁護委員会 委員
三田法曹会 会員