債権回収の弁護士費用|費用相場と費用倒れを防ぐポイント

  • 2026/6/11

「弁護士に頼みたいけれど、費用がいくらかかるのか分からない」「少額の売掛金なのに、弁護士費用の方が高くなるのではないか」——債権回収を弁護士に依頼する際、費用面の不安は多くの経営者の方が感じるところです。

しかし、弁護士費用の仕組みを正しく理解し、回収方法ごとの費用対効果を把握しておけば、「費用倒れ」を防ぎながら効率的に回収を進めることは十分に可能です。

この記事では、債権回収における弁護士費用の内訳・相場から、費用倒れを防ぐ判断基準、費用を抑える方法まで、経営者の方が知っておくべきポイントを解説します。


債権回収の弁護士費用の内訳

弁護士に債権回収を依頼した場合の費用は、主に以下の4つで構成されます。

1. 相談料

弁護士に初回の相談をする際の費用です。一般的には30分あたり5,000円〜10,000円が相場ですが、初回相談無料の事務所も増えています。

相談の段階で、回収の見込みや最適な方法についてアドバイスを受けることができます。費用対効果の判断材料を得るためにも、まずは相談を活用しましょう。

2. 着手金

弁護士が実際に業務を開始する際に支払う費用です。結果に関わらず発生する点が特徴です。

着手金の相場は、10万円〜30万円が一般的ですが、債権額や対応方法によって異なります。成功報酬型(着手金無料)の料金体系を採用している事務所もあります。

3. 報酬金(成功報酬)

債権回収に成功した場合に支払う費用です。回収できた金額の10%〜20%が一般的な相場です。

報酬金は「実際に回収できた金額」に対してかかるため、回収に失敗した場合は発生しないのが通常です。

4. 実費

手続きに必要な実費として、以下のような費用がかかります。

  • 内容証明郵便の送付費用: 約1,500〜2,000円
  • 裁判所の手数料(印紙代): 請求額に応じて変動(例:100万円の請求で10,000円)
  • 郵便切手代: 数千円
  • 交通費: 裁判所への出頭にかかる費用
  • 登記簿謄本取得費用: 不動産の調査などに必要な場合

対応方法別の費用相場

債権回収は、対応方法によって弁護士費用が大きく異なります。以下に、主な対応方法ごとの費用相場をまとめました。

対応方法 着手金の目安 報酬金の目安 合計費用の目安
内容証明郵便の作成・送付 3万〜5万円 なし or 回収額の10〜15% 3万〜5万円+報酬金
弁護士名義の内容証明+交渉 5万〜15万円 回収額の10〜20% 5万〜15万円+報酬金
支払督促の申立て 5万〜15万円 回収額の10〜20% 5万〜15万円+報酬金
少額訴訟 10万〜20万円 回収額の10〜20% 10万〜20万円+報酬金
通常訴訟 20万〜50万円 回収額の10〜20% 20万〜50万円+報酬金
強制執行 10万〜20万円 回収額の10〜20% 10万〜20万円+報酬金

※上記は一般的な相場であり、事案の難易度や弁護士事務所によって異なります。

→ 各手続きの詳細は「支払督促・少額訴訟・民事訴訟の使い分け|債権回収の法的手続き」をご覧ください。

費用の具体例

例1:100万円の売掛金を内容証明+交渉で回収した場合
– 着手金:10万円
– 報酬金:100万円×15%=15万円
– 実費:約2,000円
合計:約25万円(手取り約75万円)

例2:500万円の工事代金を訴訟で回収した場合
– 着手金:30万円
– 報酬金:500万円×15%=75万円
– 実費:約3万円(印紙代・切手代等)
合計:約108万円(手取り約392万円)

例3:30万円の債権を弁護士名義の内容証明で回収した場合
– 着手金:5万円
– 報酬金:30万円×15%=4.5万円
– 実費:約2,000円
合計:約9.7万円(手取り約20.3万円)


費用倒れを防ぐための判断基準

債権回収で最も避けたいのは、弁護士費用が回収額を上回る「費用倒れ」です。費用倒れを防ぐためには、以下の3つの視点で判断しましょう。

1. 債権額と対応方法のバランス

債権額に応じて、費用対効果の高い方法は異なります。

債権額 おすすめの対応方法 費用倒れリスク
10万円以下 自社での催促、少額訴訟の自力対応 弁護士依頼は費用倒れの可能性あり
10万〜50万円 弁護士名義の内容証明のみ 内容証明で解決すれば低リスク
50万〜100万円 内容証明+交渉 or 支払督促 比較的低リスク
100万〜500万円 交渉〜訴訟 回収見込みがあれば費用対効果◎
500万円以上 訴訟+仮差押え 費用倒れリスクは低い

2. 相手方の支払い能力(資力)

回収の見込みがなければ、いくら法的手続きを取っても費用倒れになります。 弁護士に相談する際は、以下の点を確認しましょう。

  • 相手方は事業を継続しているか
  • 相手方に不動産などの資産があるか
  • 相手方の銀行口座に残高がありそうか
  • 相手方に他の債権者がいる(多重債務の)可能性はないか

相手方が既に経営破綻に近い状態であれば、費用をかけて訴訟を起こしても回収できない可能性が高いです。この場合は、貸倒損失として税務処理する方が経営判断として合理的な場合もあります。

3. 証拠の充実度

契約書、請求書、納品書、メールのやり取りなどの証拠がしっかり揃っているほど、回収の確実性が高まり、費用対効果も上がります。逆に、口約束だけで契約書がない場合は、訴訟での立証に時間と費用がかかるリスクがあります。

このような費用対効果の判断でお悩みの場合は、早めに専門家へご相談されることをおすすめします。弁護士法人エースでは、経営者の視点に立った実践的なアドバイスを行っています。初回相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。


弁護士費用を抑える方法

費用面の不安を解消するために、弁護士費用を抑える4つの方法をご紹介します。

1. 早期に相談する

支払い遅延が発生した早い段階で弁護士に相談することで、内容証明郵便の送付だけで解決するケースが多く、費用を最小限に抑えられます。問題が長期化してから依頼すると、訴訟が必要になり費用が膨らむ傾向があります。

2. 顧問契約を活用する

顧問弁護士がいる場合、個別案件の弁護士費用が割引(通常料金の2割引など)になるのが一般的です。また、月額顧問料の範囲内で初期相談や内容証明のドラフト作成に対応してもらえるケースもあります。

→ 顧問契約の費用とメリットについて詳しくは「顧問弁護士の費用相場と料金体系|月額料金から依頼時の費用まで解説」をご覧ください。

3. 成功報酬型の料金体系を選ぶ

着手金無料で、回収に成功した場合のみ報酬が発生する「完全成功報酬型」の料金体系を採用している事務所もあります。ただし、成功報酬の割合が高めに設定されることが多い点には注意が必要です。

4. 段階的に対応を進める

最初から訴訟を依頼するのではなく、まずは内容証明郵便の作成・送付のみを依頼し、それで解決しなければ次のステップに進むという方法も有効です。段階的に対応することで、不要な費用の発生を防げます。

→ 債権回収の段階的な対応方法については「売掛金の回収方法|未払い発生時の対応手順と進め方」をご覧ください。


弁護士に依頼すべきタイミング

「費用がかかるから」と弁護士への相談を先延ばしにすると、かえって費用が増えたり、回収不能になったりするリスクがあります。以下のような状況であれば、早めの相談をおすすめします。

  • 支払期日から1か月以上経過しても支払いがない
  • 自社での催促に相手方が応じない
  • 消滅時効(一定期間が経過すると権利が消滅する制度)の完成が近い
  • 相手方の経営状態が悪化している兆候がある
  • 複数の取引先に対する未回収債権がある

特に、消滅時効が迫っている場合は、時間的余裕がありません。実務上は支払期日から5年が時効の目安ですが、早めに対応するに越したことはありません。

→ 消滅時効について詳しくは「債権の消滅時効|時効期間・完成猶予・更新の基礎知識」をご覧ください。


弁護士法人エースの債権回収サポート

弁護士法人エースでは、中小企業の経営者の方に寄り添った債権回収サポートを提供しています。

初回相談無料

まずは費用面のご不安も含めて、お気軽にご相談ください。回収の見込みと費用対効果を率直にお伝えし、「費用倒れ」にならないようアドバイスいたします。回収が難しいと判断した場合は、正直にその旨をお伝えすることも弁護士の重要な役割です。

複数担当制による迅速対応

債権回収はスピードが勝負です。複数の弁護士・パラリーガルがチームで対応するため、担当者不在でも迅速にレスポンスいたします。

経営者視点でのアドバイス

代表弁護士は複数法人の代表を兼任しており、弁護士でありながら経営者としての実体験を持っています。法的に正しい方法だけでなく、費用対効果や取引関係の維持も考慮した経営判断としてのアドバイスを提供します。

税務面もワンストップで対応

所属弁護士は全員が通知税理士登録済みのため、回収不能となった場合の貸倒損失の計上など、税務面のアドバイスもワンストップで対応可能です。

顧問契約でさらにお得に

顧問契約をいただいている企業には、個別事件の弁護士費用を通常料金の2割引で対応しています。日頃から契約書のリーガルチェックを行うことで、そもそも未回収リスクの低い取引構造を構築することもできます。


まとめ

債権回収の弁護士費用は、対応方法によって大きく異なります。費用倒れを防ぎながら効果的に回収するために、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 費用の内訳: 相談料・着手金・報酬金・実費の4つで構成される
  • 対応方法で費用が変わる: 内容証明のみなら3万〜5万円、訴訟なら着手金20万〜50万円が目安
  • 費用倒れの判断: 債権額・相手の資力・証拠の充実度の3点で判断
  • 費用を抑えるコツ: 早期相談、顧問契約の活用、段階的な対応
  • 弁護士名義の内容証明だけで解決するケースも多い: まずは初回相談で費用対効果を確認

「費用が心配」という理由で弁護士への相談を躊躇していると、時間の経過とともに回収が困難になり、結果としてより大きな損失を被るリスクがあります。まずは初回無料の相談で、費用対効果を含めたアドバイスを受けることをおすすめします。

→ 債権回収の全体像については「債権回収とは?方法・流れ・弁護士活用のポイントを解説」をご覧ください。

弁護士法人エースでは、債権回収の弁護士費用に関するご相談を初回無料でお受けしています。LINE・電話・メールでお気軽にお問い合わせください。経営者のパートナーとして、費用対効果の高い債権回収をサポートいたします。

お問い合わせ
電話相談受付:0120-419-155(年中無休 8:00〜22:00)

監修者プロフィール

成田 翼

弁護士法人エース 代表弁護士

竹内 省吾

経歴
慶應義塾大学法学部卒業(2009)
慶應義塾大学法科大学院卒業(2011)
弁護士登録(2012)
第一東京弁護士会・こども法委員会 委員(2020まで)
三田法曹会 会員
日本交通法学会 会員
東京都子供の権利擁護調査員(2020まで)
静岡県弁護士会 会員(2020から2023まで)
第一東京弁護士会 会員(2023)

監修者プロフィール

成田 翼

弁護士法人エース 代表弁護士

成田 翼

経歴
明治大学法学部卒業(2009)
慶應義塾大学法科大学院卒業(2012)
弁護士登録(2013)
神奈川県弁護士会 所属
刑事弁護委員会 委員
三田法曹会 会員

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